私が、ドライカットをする理由

それは

お客様は乾いた髪で、過ごされるから

この事に、尽きます

中には濡れた状態で、過ごされるケースも
あるかもしれませんが、そこは割愛します

乾いた髪で過ごされる方が多いなら
その乾いた状態で、ベストにして差し上げたい

そういう思いがあって
ドライカット＝髪が乾いた状態でカットをする事を
大切にしています

私が、修行を始めたころ
今から27〜28年前になります

その頃って、パフォーマンス重視というか
なんなら、技術は早けりゃ早い方がいい！
みたいな風潮まであって
そうなってくると、濡らして切る方が早いから
当然、ウエットで切ることが多くなります

そして、乾かしたら、当然
濡れた髪と乾いた髪では誤差が出てきますから
今度は、乾いた状態で、削ぎバサミなどで
ザッザッと「梳かして」軽くするっていうような
技術の流れが多かった

スタイルにしても「軽けりゃカッコいい」みたいな
雰囲気もありました

もちろん、その頃から
腕の良い美容師先生方は
ウエットで切ってもドライで切っても
何やっても早くて上手かったですけれど

一方、並み、、というと失礼になるけど
私を含め、多くの美容師さんが
今、書いたような工程が普通だと
信じて疑わなかった時代でした

私がスタイリストとして
お客様を担当するようになっても、当然
それが当たり前と思って
お客様に技術をしていました

そうしているうちに
だんだんカットをする事が怖くなってきました

スタイリストになれたのだから
技術をしたいはずなのに、カットをする事が怖いんです

自分でも、徐々に湧いてきた気持ちやったから
初めのうちは何故なのか、わかりませんでした

でも、日々、怖いながらもカットをしていて
気づいた事がありました

カットが怖くなった原因に気づいた

それは、先ほども書きましたが
髪が濡れている時と、乾いている時とでは
髪の状態に、違いがある事でした

もちろん、カットを習う時に、この事は教わります

「髪は濡れている時と、乾いている時とでは状態が異なる」と

でも
どれくらいっていう明確な数値などはあるはずもなく
それは、経験と感覚で覚えていくものです

なので初めのうちは慣れないから
この「誤差」が怖くて堪らなくて、、

この事が、カットを恐れることになった元凶でした

それでも日々、サロンワークしていくうちに
経験を積んで、だんだんその誤差も計算をして
カットができるようになってきました

ただ、そうなってきても、やっぱり
自分が担当したお客様のカットを省みてみると
何かしっくりこないものがあって

そして、それは当然ながら
指名数の伸び悩みという形で現れました

人気が出てこその仕事ですから、悩みました

どうしたら、恐れを払拭できるか？と
日々、試行錯誤しました

そして、気づいたこと

髪の状態に差があるなら
お客様が普段、過ごされる状態を再現した上で
必要なカットを施すようにすれば良いと

それから私は、ドライカットを主として
行うようになりました

今日のドライカットでのサロンワークの一例です

ゲスト様ビフォア

彼女が
ラクイラを見つけてくれたきっかけになったのも
私のドライカットを紹介したブログやホームページでした

カラーリングも、しっかりと施して

仕上がりです

ドライカットは、しっかりした技術が施してあれば
時間の経過と共に、スタイルが馴染んでくる
というメリット、特徴があります

それは、お客様としては、スタイルの持ちが良い
ということに繋がります

そして、髪の表情、質感が
とても自然であることもドライカットの利点

きっと街では、こんな風に映るんだろうなと思います

長々と書きましたが
私のドライカットというのは
先ほどのエピソードからすると
カットへの恐れから生まれた技術
であるとも言えます

だからこそ、慎重に、大切に行ってきた技術

それがドライカットだと思っています

あくまで、技術というのは「手段」です

「手段」であるドライカットが
お客様が素敵なスタイルを手に入れたいという「目的」の
お役に立てるのなら
これほど幸せなことはありません

これからも、心を込めて
ドライカットをはじめ、技術をしていきたいと思います

今日も読んでくれておおきに。NOBU