シンプルなボブなんだけど
ちょっとだけ違う？

ほんのちょっと、なんです

ほんの少しで、いいんです

何が、か？

お客様の変身願望って
そんな
本当に「ちょっとの事」であるケースも多いんです

もちろん
何十センチとロングヘアを、思い切ってカットして
大イメチェンを果たされる方も
いらっしゃいますが

お客様から発せられる、お話の
ニュアンスから感じ取る「その」願望って
上に書いたような、ほんのわずかなチェンジで
叶えられる事もあるんです

ゲスト様ビフォア

前回は、全体を手入れしやすいように
そろえる程度だったので
１ヶ月しか空いていないんですが
かなり伸びていらっしゃる印象です

今回は、特に襟足辺りを中心に
スタイルに変化をつけよう
ということに、なったのですが
サイドの長さに関しては当初
「ここはこのままでいいわ」と

そうして
カウンセリングで、お話を進めていくうちに、、

「よくほら、あるでしょ？
あれって片方、耳にかけてるのかな？
あれなんていうの？左右が違うやつ、、」

彼女は左右非対称（アシンメトリー）の
スタイルにご興味を持たれていたんです

ただ、もともと
サイドの長さはそんなに長くはない素材です

それに加えて、なおかつ今回は後ろも
そこそこにスッキリさせるので
大きく左右の印象を変えることは
難しいケースです

でも、前述しましたように
お客様の希望って
ほんの少しのエッセンスを加えることで
叶う事もあります

その辺りの仕上がりのイメージを
お話しさせていただいたのち
しっかりとカットを仕込みます

仕上がりです

まず、右サイド

そして、後ろから

最後に、左サイド

とても、美しく、まとまりました

さて？アシンメトリーの件ですが、、
ほとんどわからないかもしれませんね

左右を並べて、比較してみます

いかがですか？
ほんの少しだけ、右側の首元〜顎ラインにかけての
肌色の方が多く見えませんか？

もともと
彼女の分け目（パート）は右側なので
バランス的にも、分け前が少ない右サイドが短い方が
バランスも良いんです

そして、留意しないといけない点は
似合わせる事は、もちろんなのですが
短くしながらも、耳には掛けられる長さを残す事

今回の彼女のスタイルチェンジには
その点も必要でした

ですので
「耳にかけないから、いいように、好きにして」となれば
また話は変わってきます

このように
お客様の変身願望の、その「度合い」を感じ取る事って
我々、美容師には絶対に必要なスキルです

そこを慎重にいかないと
お客様にしてみたら、
せっかくスタイルチェンジしにきたのに
不完全燃焼に終わる、、

また、その逆で
勢い、髪を切りすぎてしまって
取り返しのつかないことに
なってしまう、、
なんてことにもなりかねません

私もどんどん、年をとっていきます

体力の衰えは、もちろんなんですが
もっと危惧すべきは、「ここらへん」の感性が鈍ることです

自らの楽しみにもしている
良い場所に出向き、良いものを見て
良いものを食べ、良いものに共感し
良いものに刺激を受け、そして良いものを取り入れる

そんなことを、日々、心がけて生きております

これからも、皆さん、よろしくお願いいたします

今日も読んでくれておおきに。NOBU